政治家として帰路に立たされた岸田氏

・自民党総裁選は、始まる前から菅義偉氏の当選が有力視されています。
・この背景には岸田文雄氏が何かと弱かったことが背景に挙げられます。
・また石破茂氏の人気が根強く、岸田氏に任せられず菅氏が出ざるを得なかったという背景も垣間見えます。

自民党総裁選で5派閥の支持を受け、ほかの候補を圧倒する菅義偉官房長官。安倍晋三首相は当初、岸田文雄政調会長に後継を期待したが、党内や世論の期待が広がらずに支持を見送った。首相批判を繰り返す石破茂元幹事長に「勝てる候補」として浮かんだのが、菅氏だった。

https://news.yahoo.co.jp/articles/78d654aac5071c0bfe391bb1ef9971809fd539fc

自民党総裁選は、菅義偉氏の独壇場になってしまいましたが、元々想定していたのは岸田文雄氏への禅譲でした。その理由は、良くも悪くもカラーに乏しく、安倍晋三首相からバトンタッチを受ければ安倍首相の威光を残せるという思惑もあったからです。

ところが、現状は菅氏の独り勝ちです。その理由として挙げられるのは、岸田氏の弱さと石破茂氏の人気です。新型コロナウイルスに伴う経済対策で、10万円の特別給付金が与えられました。しかし、元々は別の案を岸田氏などがまとめており、それが二階氏などによってひっくり返されています。この時から総理の器ではないという認識が広まりました。

もう1つ、石破氏の人気です。石破氏と岸田氏、どちらが総理にふさわしいかを菅氏が若手議員に聞くと、石破氏の名前を挙げる人が多かったとか。石破氏は安倍首相に批判的で、安倍首相に関する疑惑の再調査をしようとしている人物です。それが何を意味するか、菅氏が一番わかっており、立候補を決めたようです。強いリーダーシップが求められるのが総理大臣ですが、それがあまりにもなかった岸田氏が評判を落としていくのは必然的と言えるでしょう。